無事終了いたしました。
てらたん企画第一弾 ・・・「てらたん」=「寺で丹力をつける」の略です
てらたん講座
暮らしの中で「聴く」ときに使う技、立脚する世界観の探究
離別や喪失による哀しみ、理不尽な出来事への憤り、嘆き、不安、焦り・・・これらは、生、歓びと同じように、あたりまえに日々の暮らしを形創り彩る感情です。これらを、ただありのままに聴くことができる人がいて、これらを包容できる場が暮らしの中にあたり前にあれば、人々は死や嘆きといった出来事と共に、力強く「今」を生きることができるのだろうと思います。どのような世界観・生命観に立脚したら、起こることすべてを「あり」としながら、ただ聴いて、本当の意味で寄り添うことができるのか。心理療法やグループワークの技法をツールに、この問いに向かって、6か月間、共に探究していきます。
日時
2016年
第1回 10月16日(日)
第2回 11月20日(日)
第3回 12月18日(日)
2017年
第4回 1月8日(日)
第5回 2月12日(日)
第6回 3月12日(日)
毎回 14:30~18:30
定員 10名
(最低開催人数5名)
◆講座の内容
この講座では、前半(3~4回)で身体と心をつなぐ心理療法の技法を実際に体験し、各技法が前提とする視座(世界観)を学び、後半に、参加者が各々の生きる場や実践の場でそれらの技法をどのように生かしていけるのか探究していきます。
☆前半~体験編~
テーマ:「身体で聴く」&「いのちの営みから読む」
体験する技法:身体で聴き合う(コンタクトインプロ等)、キネシオロジー、アートセラピー、コンステレーションワーク等
学ぶこと:セラピストが前提とする視座、心理療法が機能するメカニズム、自己実現・自己決定を促すということ(その危険性)、課題解決型個人セッションの狙い、システミックアプローチとの違い等
☆後半~探究編~
テーマ:共に学び・腑に落とす~自分の実践に活かす~
内容:前半に体験したことを各々が生きるフィールドにおいて、どのように生かすことができるのか、グループワークで参加者同士、グループワークやロールプレイ等を用いながら探究していきます。
※参加者のフィードバックをもとに、プログラム内容を若干変更する場合がありますので予めご了承ください。
◆対象
地域で場を開くことを考えている人や既に開いている人、
支援、場づくり等、人間関係を築くことを基盤とした仕事や活動をしている人
いくつかの援助技術(傾聴、カウンセリング技法等)を学んできた人、
それらの使い方を整理し実践にいかしたいと思っている人、
心理療法のからくりを知りたい人、
心理療法を受ける機会はないが関心がある人、
支援するということ、聴くということを探究したい人、
そしてもちろん、この案内をよんでピン!ときた方。
≪講師からのひとこと≫
精神病と診断されたことのある人たちと一緒に暮らしてきました。被災地で死別を体験した人たちの生活支援をしてきました。それから、セラピストとして個人セッションを提供する仕事も10年ほど続けてきました。そして今たどりついた結論は、人が本当に癒され生きる力を取り戻すのは、セッションルームやワークショップルームではなく、また支援者による支援ではないということです。
セラピーもワークショップも支援者による支援も必要です。そして、その職業に就く人たちはたくさんいます。(十分ではないかもしれませんが、私がこの領域に入った頃に比べたら十分増えていると思います)
セラピーもワークショップも支援者による支援も必要です。そして、これらの専門家が持つ技術はパワフルで人間存在を理解するにもとても有効です。でも、今は、それが密室で限られた者によって限られた人たちに提供されています。
これからの私は、人が本当に癒され生きる力を取り戻す関係を日常の中に創り上げていくことを、役割として担っていきたいと思っています。私の現在のつたない言語力で表すなら、心理療法とソーシャルワークの統合、または、スピリチュアルとソーシャルの統合。この「てらたん講座」は、その記念すべき第一歩です。共に新たな道のりを歩んでいけることを楽しみにしています。
参加費
全回通しで 18,000円
または、お米、野菜、布など
※詳しくは下記、てらたん企画の参加費設定ポリシーをご覧ください。
各回ごとに学びを深めていきますで、全回通しで参加されることをお勧めします。ただし、これまでの実践経験等を考慮して各回ごとの参加も受け付けますので、ご相談ください。
単発参加の場合、1回4000円。
※てらたん企画の参加費設定ポリシーについて
てらたん企画では、講座を「お寺」で開く・・・ということの意味を大切にしていきたいと考えています。お寺は、いつの時代も、俗世間の常識、具体的にいえば、市場経済の原理に縛られず、人々の祈りや願いとともにある場所でした。だからこそ、てらたん企画でも、市場原理にただ従うのではなく、かといって活動を持続可能にする(物理的にも精神的にも)参加費の設定の仕方を模索しています。払える者は払う。払えない人は払わないでいい。たとえば、払えない人の分まで払うよという人がいてもいい。と同時に、何かを提供する人がすべて持ち出しで疲弊しないような形を模索していきたい。。。そんなことを考えています。
ですので、今回の講座も、現金収入の少ない方、ものづくり、百姓生活をされている方など、現金の代わりに衣・食・住を支えるもの、たとえば米や野菜や布などでも受け付けたいと思います。これについては個別にご相談いただければ折り合いのつくところを見つけていきたいと思っております。
申込
受付担当小林に、お問い合わせください。
小林メールアドレス ipunus1148@gmail.com
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====================================プレ講座のお知らせ
7月23日(土)13:30~18:00
参加費1000円
10月から月1回(全6回)、てらたん講座「暮らしの中で「聴く」時に使う技・立脚する世界観の探究」が始まります。この講座では、身体と心をつなぐ心理療法の技法をツールに、暮らしの中で「聴く」時に立脚する世界観を探究していきます。全6回のうち前半(3~4回)では、実際に、いくつかの心理療法の技法(キネシオロジーやコンステレーションワーク)を体験します。
この企画を練り始めて、いろんな人から、技法について、
「それって何?」 という質問を受けてきました。
そこで、てらたん講座で用いる技法を、
実際に体験してもらう企画を思いつきました。
プレワークショップでは、ファミリー・コンステレーションをおこないます。そして、てらたん講座の中で、この手法をどのように用いていくのかを説明いたします!
ファミリー・コンステレーションは、ドイツ人のセラピスト バートへリンガー氏が開発したシステミック家族療法です。たらたん講座では、「関係に織り込まれて生きる存在としての「私」を体験するツールとして用いていきます。
※ファミリー・コンステレーションとは
(「いのちの営み、ありのままに認めて」2005年訳者まえがきより部分抜粋一部加筆修正)
個人が抱える病や苦しみの背景にある家族システムの力動を明るみに出し、それらの要因となっている魂のもつれを解きほぐします。そして、クライアントとその家族が癒しの力を取り戻す手助けをするものです。ファミリー・コンステレーションは、通常10人から20人程度のグループで行われ、クライアントが家族の代理者を配置することから始まります・・・。
ファミリー・コンステレーションの詳細にご関心のある方は、
講師の起代さんが翻訳した「いのちの営み、ありのままに認めて」をお勧めします。
まずはご体験ください!
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◆この場が開かれることとなった経緯
小林永照(延命寺副住職)
今からだいたい二年ほど前のことです。起代さんに勧められて、福島で開催されたワークショップに参加し、橋本久仁彦さんに出会いました。それからその年の夏に、僕は岐阜の農村で開かれた橋本さんの場に参加しました。僕は基本的に人見知りで、人と一緒にいる時には緊張しがちです。そんな僕ですが、その場ではなぜか、初めての人たちのなかでリラックスできてしまう自分がいました。
何もない時には、それぞれがおもいおもいに過ごし、けれども、食事や会場設営の際には、おのおのがぴしっと動き、用意ができてしまう。そして、帰る時には、ある人は涙を流しながら、握手をして帰っていく。それまで体験したことのない、人がそのままでいることができる場が、橋本さんの場にはあったように感じました。
そのような経験をし、僕は感動して、起代さんに興奮まじりにこんなメッセージを送りました。「人間はただ存在しているだけで、美しいのかもしれない」。そして、「このような場にお寺をしていきた」と。この時、起代さんは、僕の言葉に対して深く共感してくださると共に、「人はそのまま存在しているだけで美しいこと。これをとことん追求することは難しいよ」と指摘してくれました。ここから起代さんと僕の、お寺で場を開いていくことをめぐっての真剣なやり取りが始まりました。
起代さんの言った難しさは、本当にその通りでした。腹を立てたり、悲観的になる。そんな日々の生活のなかで、僕はしょっちゅう、「人はそのままで美しい」という感覚や、「そんなお寺にしていきた」という想いを、しばしば見失いました。起代さんと企画を練る中で、そのように見失ってしまう自分を直視し、時にカツを入れられながら、自分自身のあり方の部分が深く問われていきました。 そうした歩みから、起代さんと僕とで創る「てらたん企画」という企画が生まれました。
「寺で胆力をつける」=「てらたん」。ここでは、ありのままを、そのまま見て、そして聴いていくことができる「胆力」を養っていきます。喜びも、怒りも、悲しみも、すべてありのままに聴くことができた時、人の本来の力強さと美しさをそのまま体験することができるのではないでしょうか。そのように「聴く」ことで到達することができる世界を、普段の生活や地域のなかに取り戻したいという願いが、「てらたん」には込められています。
さて、そんなてらたん企画の第一弾は、『暮らしの中で「聴く」時に使う技・立脚する世界観の探究』です。僕自身、ここまで書いてきて、「ありのまま」をまだまだ全然、腹で了解できていないと本当に思うのですが、皆様と一緒に、この世界を探究していくことができたら嬉しく思います。